2015年11月26日木曜日

天国の猫との往復書簡(2) 私から猫へ

りこよん(亡くなった猫)へ

りこよん、お手紙ありがとう。
18年、人間だともうすぐ90歳に手が届こうかという歳だから、寂しいけど、生命の宿命。
長い猫人生、いろんなことがあったけど、本当にがんばったね。



途中、もうダメかもと、あきらめそうになったことも何回もあって、それを一緒に頑張って来たけど、今回はとうとうお迎えが来てしまった。

りこよんの調子が悪くなってから、朝起きるとベッドの中で、夜の間にごはんが食べれたかなぁ、今日も元気かなぁと、毎日りこよんの顔を見るまでどきどきしていました。

いつもは昨日と変わらない様子にほっとしていましたが、あの日はいつもいるケージの上階には姿が無くて、一瞬、どういうことなのか分からなくなってしまったけど、すぐに床面に横たわっている姿を見つけて、今までのような、お互いに頑張って切り抜けられるような状況ではないことが一瞬で分かり、ああ、とうとうこの日が来てしまったという虚無感に襲われましたが、同時に最期までしっかり見届けようという決意しました。


18年前、猫を飼おうと動物愛護センターに問い合わせをしたところ、何匹かいるから、見に来てくださいと言われ、現地で係りの方がケージに入れて連れてこられた猫のうち、一番好奇心旺盛で、物おじしない子猫がりこよんでした。


大人になってからも、家のリーダーとして、いつも家の中の見回りも欠かさず、他の猫たちのこともよく見てくれたおかげで、安心して仕事に専念できました。

 4年前の大震災(@仙台)でも、仕事から帰ったら家じゅうめちゃめちゃになってしまっていて、猫たちの命の心配をしましたが、りこよんは一番安全な備え付けの戸棚の下段にしっかりと避難していて、その冷静沈着な対応には本当に驚きました。

そんな性格に甘えて、放っぽらかしにしたり、りこよんには寂しい思いをさせてしまったかなあと思います。
私は飼い主としては落第でしたが、そんなことにも懲りずにずっと慕ってくれてありがとう。
特に腎不全の治療については嫌なこともいっぱいしてしまって、 もう嫌われちゃったかなあというような時でも、りこよんが私のことを思ってくれていたのはよくわかったし、うれしかった。


半年前のマレーシアの引っ越しも心配でしたが、長い飛行機での移動も落ち着いて乗り切ってくれて、マレーシアの家にもあっという間に慣れてくれて、安心しました。

人はこんな腎臓の悪い高齢な猫を飛行機に乗せて外国に連れていくなんて!と言うかもしれませんが、私はりこよんの一生に責任を持つと、りこよんを家に迎えた時に心に誓ったし、きっとりこよんも最期まで私たちと一緒いてよかったと思ってくれていたと思っています。

りこよんが天国に行ってしまっても、私もお兄さん(注:夫のこと)も、いつも りこよんのお気に入りだった場所についつい目が行ってしまって、そこに誰もいないことにまだ慣れません。
お兄さんも、夜りこよんが寝る時間だよ~と声をかけてくれないので、ちょっと夜更かしになってます。
もーちゃん(2番目の猫)は相変わらず元気、だいにゃん(3番目の猫)はりこ姐さん今日もいないなあとちょっと寂しそう(ごはんはもりもり食べてるよ)。

私はりこよんがいなくなってから、寂しくて毎日のように泣いていましたが、このお手紙を最後に泣かないことに決めました。
猫たちは3匹とも性格も違うし、家の中でのポジションも違ってたので、りこよんがいなくなった穴は埋まらないけれど、りこよんの言う通り、今のみんなの命を大切にして、生きていて楽しくなるように、2人と2匹の環境にみんなで少しずつ慣れていこうと思います。

猫にとっては長い長い18年、お疲れ様でした。
りこよんのおかげでこの18年、とっても楽しかったよ。
辛いこともりこよんに慰めてもらって乗り切れたし、嬉しいことも共有してもらえた。
ここまで迷わずこれたのはりこよんのおかげと思ってます。
これからの私たちの人生を見守っていてください。
今まで本当にありがとう。りこよんのことは忘れないよ。
またね。

お姉さん

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