2015年10月20日火曜日

自宅 皮下点滴の定量化 毎日一定量きちんと点滴するために

前の記事で紹介させていただいた
定量筒付き点滴ライン。

テルフュージョンポンプ用定量輸液セットA 先端ロック付 10セット入 TS-PM370LY テルモ Wowma!(ワウマ)



日本では少量の点滴バッグが存在しているので、目にすることの少ない器具です。
日本の侵襲度の高い治療を行う病院では、感染予防の観点から、一つの点滴を長く吊るしっぱなしにするのを嫌うため、必要量に応じ、できるだけ短期で使い切れる輸液を選択します。
日本の製薬メーカーさんは医療現場のニーズをくみ取り、日々、現場に適した製剤の開発に努力を惜しみません。
なので、長く複数の病院に勤務していましたが、いずれの病院でもこの輸液セットは見たことがありませんでした。

海外では大きいボトルの点滴が主流なので、小児や精密な調製が必要な注射薬は広く、この定量筒付きを使うようです。

日本でのかかりつけ獣医さんでは天井の点滴をつるすフックに吊り下げ式のばね秤を吊って、
さらにその下に点滴バッグを吊るして重さの減り具合を見ながらやっていました。


マレーシアの獣医さんから渡されるのは150mLの筒(チャンバー)のものですが、日本で売られているものは通常100mLのようです。

構造





  1. 点滴ボトル挿入針(点滴ボトルに刺すためのプラスチックの針)
  2. クランプa(点滴ボトルから定量筒へ液を入れたり止めたりするクリップ)
  3. 定量筒(ここに実際に点滴したい量だけメモリに合わせて液を入れる)
  4. 点滴筒(ここに液を一旦ためることで、ラインに空気が入りにくくする)
  5. クランプb(定量筒から針先に流れる液量を調節する)
  6. 注入口(ビタミン剤や吐き気止めなどをここから追加で注入する)
  7. ロックコネクタ (注射針や翼状針を接続する)



定量筒の上部のアップ


青い蓋は空気穴で、雑菌が混入しないようにフィルターがついています。
使用の際は開放します。
黄色っぽい口は薬液混注用ですが、猫の場合は使いません。
定量筒の中には青い浮き輪が入っていて、液の上面がわかるようになっています。


 実際に吊るしたところ



この状態で定量筒に液を満たして、使用の際は定量筒上面の持ち手をフックに引っ掛けます。
※マレーシアの家は吊るすところがないので、脚立にフックをかけて吊るしています。

ラインの扱い自体は通常の点滴ラインと一緒です。
点滴筒を押して液を半分くらいまで入れた後、ラインに空気が残らないように液を満たしていきます。

初回はラインに液を満たすのに10mLちょっと使うので、注入直前に液量を確認します。

今の獣医さんでは1Lのリンゲル液を1週間で交換するように指示されて行っています。
これだと、毎回、針の交換のみなので、回路自体は逆流しなければ清潔が保ちやすいです。

点滴1週間使い続けるのは何となく抵抗がありますが、皮下点滴は静脈への点滴と比べ、感染を起こしにくいと言われており、正しい清潔操作と消毒を行うことで、感染症は最小限に防げます。

ちなみに注射針は21G。
毎日点滴するので、あまり太すぎると皮膚が傷むし、細いと点滴に時間がかかるので、このくらいが妥当かな?


昨日の摂食量
ドライ(自力)31g

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